こんにちは「愛の戦士です。」
塩ビパイプで水耕栽培キットの作り方を説明していきます。
昨年にも塩ビパイプを使って水耕栽培キットを作成しました。
昨年の水耕栽培キットの記事です↓
半年間使用してみて改善点と、更なるアイディアが浮かんできたので前作との違いと比較しながら説明していきたいと思います。
作り方のベースは変わらないのでリニューアルしたと思ってください。
夏にハウスで水耕栽培をやるのが初めての事なので、はっきり言ってやってみないと分からない事もあります。
特に水温です。
水温が高くなりすぎると成長する事なく萎れていまいます。
なので事前に調べ、対策を考え、やってみてどうなるかです。
このやり方で夏を超えられたら、自信をもってこのやり方をオススメできます。
ではそのやり方を説明していきます。
前作との水耕栽培キットの違い
前作との違いの部分だけピックアップします。
前作はこの作りでトマト、きゅうり、ピーマン、白菜、レタスを栽培していました。
今年のリニューアルバージョンはこちらです
以上が前作からの変更点です。
何故変更したのか?
それぞれ説明していきます。
75Φから100Φにした理由
昨年、水耕栽培をしてい作物の根は想像以上に大きく、75Φの大きさだと根づまりをしてしまうので1サイズ大きい100Φにしました。
きゅうりの根っこです。これでもまだ生育初期です。
奥に75Φのパイプがあるのですが、まだまだ大きくなっていくので詰まるのが予想できますよね?
なので1サイズ大きい100Φにしました。
もしかしたら100Φでも詰まる可能性はありますが・・・
なので以上の理由で100Φのに変更しました。
水槽を1個から4個にし、3ラインから4ラインにした理由
今回の水耕栽培キットで1番大きな変更点です。
パイプが3ラインに水槽が1だったのが、4ラインに水槽が4つになった点です。
何故4つにしたかと言うと、これから夏になっていき水温が上昇してきます。
水温が高くなりすぎると萎れたりして生育に大きな影響を与えます。
なので水温の管理は非常に大事で、上昇させない工夫が必要です。
その工夫の1つに水槽を4つにして、水量を多くして上昇しにくくしています。
お湯を沸かす時、少ない量より多い量の方が沸くのに時間がかかりますよね?
なので水槽を4つにして水の量を多くし、水温の上昇を抑える効果を狙っています。
それと単純に収量の増加です。
3ラインより4ラインの方が定植出来る本数が多くなるので、収量の増加が見込まれます。
それと給水2ラインで排水1ラインだとバランスが悪くなり、溶液の流れが悪くなる場所が出てくるので1ラインで給排水のシンプルな形にしました。
以上の理由で水槽を1個から4個にし、3ラインから4ラインにしました。
↑※東日本は50Hz
↑※西日本は60Hz
パイプの接着にコーキング剤を使用した理由
前作はインクリーザの取り付けは奥まで入れるだけでした。
その理由はパイプ用の接着剤を使うと後で分解できないからです。
もう分解しないならいいですが、自分の場合は分解しそうな感じだったので接着剤は使いませんでした。
結果、後で分解する事になり良かったとなりました。
しかし使っている時は1部で水漏れしている場所はありました。
入れているだけなので完璧ではありません。
なので「水漏れしない」「後で分解出来る」の2つが成立するやり方はないか?
と考えた結果「コーキング剤」が限りなく上記の2つが成立しそうなので使ってみる事にしました。
コーキング剤とは建築現場で気密性や防水性を保持するために、施工の隙間などに使用されます。
水回りに多く使われているイメージです。
使用した後に剥がす事も可能との事なので、使ってみる事にしました。
以上の理由でコーキング剤を使用してみました。
水槽の蓋をベニヤ板から断熱材に変更
ベニヤ板から断熱材にした理由は、水温の上昇を抑えられるかも?
と思い、断熱材に断熱シートを巻いて使ってみる事にしました。
今回使用する「スタイロフォーム」という断熱材は、熱を伝えにく保温効果が非常に高いので使ってみる事にしました。
以上の6点が前作の水耕栽培キットからの変更点です。
塩ビパイプで自作水耕栽培キットの作り方
今回紹介する水耕栽培キットは1ライン約12mを4列で使用していて、自作ビニールハウス内で使用しています。
それなりの大型循環型ですので、室内タイプではないですがサイズを小さくしたり、1部分だけ取り入れてみるなどして参考にしてみてください。
パイプに穴をあける
まず塩ビパイプに穴をあけます。
穴をあけるのに「ドリル」と「ホールソー」を使います。
「ホールソー」とはホール(穴)ソー(のこぎり)と穴をキレイにあける為ののこぎりです。
左がドリル、右がホルソー
塩ビパイプの穴の間隔は30cmにしています。
サニーレタスなどは20cm~25cm間隔でもいいと思います。
トマト、きゅうり、ピーマンなどは最低30cmはないと狭くなります。
今回は4mのパイプを使っていますので30cm間隔で12個あけると3m90cmになり10cm余るので、両サイドに5cmずつに広げて35cmにしました。
穴の大きさは設置するポットの大きさに合わせた大きさにあけてください。
インクリーザーの取り付け方
4mの塩ビパイプを3本を連結して、1ラインを約12mにしています。
この連結部分に「インクリーザー」を使用しています。
インクリーザーとは径違いの繋ぎの部分に使われる塩ビパイプの部品です。
「インクリーザー」を使う事で、100Φから繋ぎの部分だけ75Φになり細くなります。
この「インクリーザー」を使う理由ですが、自分がやっている水耕栽培のやり方は常にポンプで溶液を送っているやり方です。
なので、もし停電などでポンプから溶液が送れない状況があった場合、パイプ内の溶液がゼロになってしまい枯れてしまいます。
しかし「インクリーザー」を使う事で径が小さくなり、下の図の点線より下の溶液が残りすぐに枯れる事を防ぐ事が出来ると思い「インクリーザー」を使っています。
前回と違いはここからで、接着に「コーキング剤」を使います。
まず100Φが入る内側にグルっと1周コーキング剤を塗ります。
塗ったら塩ビパイプを奥までしっかり入れます。
次につなぎ目の部分にもグルっと1周コーキングを塗って、ヘラなどを使ってならして仕上げます。
繋ぎの75Φが入る部分にも同じように塗ってパイプを入れています。
繋ぎ部分も同じでグルっと1周ヘラでならして仕立てます。
以上がインクリーザーの付け方です。
排給水口の取り付け方
完成図から説明していきます。
左の画像と右の画像のパイプはつながっています。
左の給水から右の排水に流れていき、右の給水から左の排水に流れていきます。
水槽の位置がこの場所にしか設置できないので、この構造になっています。
後で説明しますが、水槽は穴を掘ってその中に入れていて固定しているので、水槽をベースにした排給水の取り付けになりますのでご了承ください
では「ここの取り付け」から先の部分の取り付けを説明していきます。
塩ビパイプ側の➁の長さを決めますが、水槽側の➁の半分より奥の範囲内に入る長さにします。
半分より奥にする理由は、水槽の中が見えるように手前側が開くように蓋を作るので奥側にします。
➁の長さが決まったら、端から水槽の中に入る範囲内に③の長さを決めます。
長さが決まったたらパイプをカットしていきます。
一気に全てカットはしないで一か所ずつ確認しながらカットしたほうがいいですよ。
のこぎりでも切れますが自分はグラインダーを使用し、作業の効率化を図りました。
↑プラスチック対応の刃じゃない切るではなく、摩擦で溶かすようになってしまうので必ずプラスチック対応にしてください。
グラインダーと刃の内径の径が合わない事があるので↑で刃が付くようにします。
グラインダーを使って塩ビパイプをカットしたら、インクリーザーを取り付けたやり方で組んでいきます。
各コーナーの部分にはエルボを使います。
これで1セットになり2列分なので、もう4列あるのでもう1セット分カット、取り付けします。
完成図です。
蓋の部分のパイプは次項の蓋の時に一緒に説明します。
以上で排給水口の取り付けは完成です。
水槽の蓋の作り方
今回は蓋の素材をスタイロフォームという断熱材を使用します。
使用する理由は熱を伝えにくく、保温効果もあるので水温の上昇を抑えられると思い使用してみる事にしました。
まずスタイロフォームを水槽の大きさに合わせてカットします。
縦、横を測ってカットします。
スタイロフォームは発泡素材なのでノコギリでカット出来ます。
蓋の開閉が出来る様に約三分の一ぐらいの位置でカットします
目印になるように線を引いて、この線に沿ってカットします。
カットしたら開閉しやすいように蝶番をつけます。
この蝶番を固定させるのにネジを使うのですが、発泡素材で柔らかいのでそのネジが取れてしまいます。
なのでネジが入る穴をあけて、その穴にコーキングを入れて固まるまで待ちます。
左、穴をあける。
中、穴の中にコーキングを入れる。
右、取り付けて固まるまで待つ。
↑このような感じの開閉になります。
次に排水口の穴をあけます。
排水のパイプの長さ(排給水口の取り付けの③と⑦)を基準にエルボを付けた時を想定して、穴の位置を決めマークをします。
パイプの上に木を挟んでハンマーで叩き、穴をあけていきます。
左、エルボの先に付けるパイプの位置を決めマークする。
中、叩いて穴をあけていく。
左、穴をあけた後。
少し力業みたいな感じですが、一番簡単でいいかなと思います。
最後に断熱シートを貼っていきます。
蓋全体に被せてテープで留めていきますが、発泡素材なのでセロハンテープはくっつきません。
見栄えは悪いですが布制ガムテープを使いました。
紙製ガムテープもくっつかないので注意してください。
排水口で穴をあけた部分の断熱シートをカットします。
綺麗にくり抜ければいいのですが、自分には出来なそうなので切り込みを入れただけにしました。
円の内径内に縦、横、斜め、斜めに切り込みを入れ8等分にするような感じにします。
その穴にパイプを通せば綺麗に見えますね(笑)
水槽が4つあるので4つ作ります。
以上が水槽の蓋の作り方です。
塩ビパイプへの断熱シートの貼り方
自分はインクリーザーなど取り付ける前に断熱シートを貼ってしまいましたが、組み立てた後の方がいいです。
理由は、インクリーザーが入る分を計算して貼りましたが、取り付ける時に一回剥がしてコーキングが乾いたらまた戻すという計算する、剥がす、戻すという作業が最後に断熱シートを貼ればなくなるので最後に貼る事をオススメします。
左、インクリーザーが入る部分を残す。
中、インクリーザーを付ける時に剥がす。
右、コーキングが乾いたら戻す。
完成してから貼ればこの手間がなくなります。(最後にやればよかったです・・・・)
貼り方は、断熱シートをパイプのサイズに合わせてカットしてテープで留めるだけです。
水槽の設置
この水槽の設置は自分なりにかなり大事なポイントだと思っています。
前作と同じですが、水槽がすっぽり入るぐらい穴を掘ってその中に水槽を入れます。
このヒントは犬で、夏の暑い日とか穴を掘ってそこに入ったりしていませんか?
土は冷たく、涼しいんだなぁー!と思い、じゃあ掘って入れてみようと思いやってみました。
そこに蓋に断熱材を使い、除草シートを被せて遮光に断熱しどうなるか楽しみです。
左、蓋に断熱材を使い、断熱シートを貼って断熱対策
右、水槽に除草シートをかけて遮光し少し断熱効果があるかな?
※この記事を書いているのが7/4で今年は6月の後半に梅雨明けし30°以上の猛暑が続いますが、水温が高くて萎れるような事はおきていません。
多少温かくはなりますが、お湯になるほどはなっていないので今のところかなり効果があります。
給水ポンプの取り付け方
最後に給水ポンプの取り付けです。
使用しているポンプはカミハタ リオプラス Rio 1400にしました。
このポンプは水量の調整も出来るのでおすすめです。
なので水量の調整が出来る様に、水槽の蓋を開けた時に手が届く位置に設置します。
付属の部品の径に入る大きさのホースをつけます。
ホースも藻が生えにくいものを使用します。
藻が発生するとその藻が根に付き、水質に影響が出そうなので藻が出来にくいホースをオススメします。
※東日本用↑
※西日本用↑
水が出れば完成です。
以上が水耕栽培キット、リニューアルバージョンの作り方です。
まとめ
少しわかりずらいかもしれませんが
左、前作
右、リニューアルバージョン
改めて、このリニューアルバージョンにして得られる効果は
以上の4点です。
3列から4列にして収量が上がるのは結果が見えています。
水漏れ防止も間違いないかなと思います。
なので今回力を入れたのが水温上昇の対策です。
こればっかりはやってみないと分からない事なので、これからも対策が必要になるかもしれませんし、このやり方で大丈夫かもしれません。
現段階では出来る限りの対策はしていますので、これからですね。
2022年の今年は6月の後半に梅雨明けし、30°を超える猛暑が続いていて長い夏になりそうですが、この夏に問題なく栽培出来ればかなりの自信になります。
調べて、考えて、実行して成果が出ればそれは間違ってなかったし、みなさんに自信をもってアドバイスも出来るようになります。
7/4の現在は本当に問題なくトマト、きゅうり、ピーマンを育てています。
これからまだまだ暑くなって来ると思いますが、無事に夏を超えられたらこのやり方が間違っていなかった事の証明にしたいです。
また夏の終わりに報告しますね。
今回の水耕栽培キットの作り方が皆様の参考になれば幸いです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。